2007年11月5日月曜日

「ALWAYS ・三丁目の夕日」より「団地ともお」

ALWAYS 続・三丁目の夕日が大ヒット公開中ですが、前作をテレビで見た限りでは、あまり感動しなかったというか、確かにノスタルジックで映像も綺麗で、役者の演技もナチュラルで、コトー先生大好きだし、良い映画だと思いますが、テレビで大々的に言うほどいい映画かなとか思っちゃったりします。というのも、やはり世代が違いまして、僕なんか昭和30年代にはまだ形もありませんので、別に懐かしくもなんともないんですよね。人口ピラミッドでは、30年代に子どもだった方が一番多いので、戦略的にはまちがってはいないと思います。

しかし、自分だって昔を懐かしみたいと思うそんな若者にお勧めなのは、ビックコミックスピリッツで連載中の「団地ともお」です。団地暮らしの普通の小学生がリアルに描かれています。ユーモアたっぷりなところはちびまるこちゃんとも似ていますが、そっちは所詮昭和中期だし。

マンガの中のリアリティーというのは、結局フィクションであって、本物ではありません。小さい頃普通に見ていた世界というのも、例えば学校の帰り道にお化けが出るとか、ピーマンを持って歩けばお化けに襲われないとか、絶対に家に入れてくれない友達は実は宇宙人だとかなどなどなど、今思うとかなりフィクションの世界に生きていたんですよね。団地ともおは、そんな子どもの世界観に忠実で、変にリアルを追求していないところが逆にリアルに感じます。

主人公の木下ともお君は、かなりおバカな小学生なのですが、度が過ぎていなくて見心地もよいです。浦安鉄筋家族も昔好きだったのですが、今見るとちょっと引いちゃう自分がいます。マサルさんとかみたいに完全に現実世界から逸脱していればいいのですが、ちょっとでもリアルなのに行き過ぎた感じがあると、純粋に中に入り込めない年頃です。

団地ともおでも劇中漫画で「スポーツ大佐」というのがあります。それはかなりえぐい内容なのですが、小学生の子ども達は毎週楽しみに見ています。しかし、大人たちにはその良さがわかってくれないというような描写がされています。ただ、途中でスポーツ大佐の就職編が始まり、リアルな内容になるのですが、それは子ども達には受けず、逆に大人たちのファンが出てきたということもありました。まさに、子ども心と大人心のジレンマなのでしょうか、団地ともおは、そういうところをくすぐってくれます。そして、ほとんどの回がちゃんとオチないで終わっていくのですが、確かに現実世界にはオチなんてありませんよね。そういったところが気持ちいいです。

そして、面白スポットといえば多彩な登場人物との絡みです。団地には子どもだけではなく大人も沢山いますし、特に中高校生と小学生のからみというのは微妙なものです。小さい頃は一緒に遊んでいたのに、高校生になったら相手にしてくれないというような空気感が絶妙です。小学生には敬語なんて言葉はないのに、中学・高校になると上下関係を覚えてくるので、いくら幼馴染とはいえ、小学生と中高校生には大きな隔たりが出来てしまいます。実際僕も兄貴の友達と小学校時代はタメ語で遊んでたのに、向こうが中学にあがるとなんだか話しづらかったことを思い出しました。それが大学生くらいのお兄さんお姉さんになると、もう別次元の生き物という感じで、逆に親しくなれた想い出があります。そして、よく怒るおじいさんとか、一緒になって遊んでくれた優しいどこかのおじさんとか、一軒家に住んでる人への憧れとか、団地内オリンピックとか超懐かしすぎです。

僕自身、団地住まいが長いので、ほんとうにこの漫画に出会えてよかったと感じています。今団地は再ブーム到来と先日テレビでやっていましたが、団地って非常におもしろいんですよね。実は、僕がこうして福祉だったり、ボランティアとかNPOとかを勉強するようになったのももって生まれた団地スピリッツから来ているのですよ!!

生まれた頃住んでた団地は、社宅だったので近所づきあいもよく、同世代の子どもも多く、非常に人間に恵まれた生活でした。しかし、次はマンションに引っ越したのですが、団地とは言え、そういった関係性が全部なくなって、すごい寂しかったのを覚えています。そんなある日、台風で自転車置き場の自転車が乱雑になっているのを直してあげたら名前は知らない同じマンションのおばちゃんが、「ありがとう」って声をかけてくれて、生きる希望が湧き上がってきた事を覚えています。それが僕の福祉の始まりです。そんな動機で大学院で研究やってる人なんていないんだろうなぁ…しかし、そこが今の行き詰まりの原因で、ほとんどの人は親族の介護問題とか、しょうがい者との出会いなど何かの危機に対して研究しているのに、情けない…

まぁそんな情けなさはおいておいて、すっきりする団地ともおを是非お読み下さい。ブログのほうにもコメント大歓迎です。

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