2007年10月27日土曜日

バウチャーの話

久しぶりにちょっとまじめな話。

以前授業でバウチャーについて調べる機会があったので考えてみました。詳しくは、バウチャー入門コーナーというホームページにいろいろ載っているのですが、バウチャーというのは簡単にいうとクーポン券で、例えば教育バウチャーだったら、政府が利用者にバウチャー券を与えて、利用者はそれを利用して自由に教育機関を選択します。そして教育機関は利用済みのバウチャー券を政府に提出して、そのぶんお金をもらうという方式です。選択できる教育機関は、公立・私立に問わないようなので、利用者が低所得世帯だったとしても自由に魅力のある教育機関を選択することができ、教育機関も対等な関係での自由競争になるということで、それぞれ独自性を打ち出しながら魅力ある教育機関づくりができます。政府のほうも、これまでは政府独自の評価で、教育機関自体に補助金を交付していたのに対して、利用者が選んだ評価で補助金を出すことになります。これは教育限定の補助金なのでかなり効率化されるし、質の悪いところはどんどん淘汰され、経済成長もして、よりよい社会になっていくでしょう!viva新自由主義!


しかし、雇用保険の制度である教育訓練給付も一種のバウチャーということらしいのですが、今話題の英会話学校の件を考えてください。あれだけかわいいキャラクターで沢山CMを打っており、業界最大手と言われて、身近に沢山の教室がある。となると、自然に親近感や信頼感が生まれます。教育システムも比較的自由な選択性なので、普段は忙しい方でも国際化の波にのまれないようにバウチャー券があるのなら行ってみよう!ということになりますよね(ちなみにNOVAは、2007年6月15日に教育訓練給付が指定打ち切りになりました)。

なにがいいたいかというと、そんなに大手でも、今回のようなことがありうるのです。もしこれが教育バウチャーで、一般学校だったらどういうことになっていたのでしょうか…利用者の評価による補助という点で、バウチャーが推し進められていますが、教育の中身なんて見た目だけでは評価できるものではなく、一定期間通ってみなければ分かりません。でも、入学する際にバウチャー券を支払うのであれば、結局見てくれがいいところに集まっちゃうでしょう…自由競争はいいことですが、見てくれの競い合いになってしまうと、公教育の本質を失ってしまうこともありえますし、そもそも裕福な学校だったり、人気が高く補助金をもらい続ける学校はどんどん投資できるのですが、一度補助がなくなった学校は、改善しようとしても補助金が減額されるので限度ができてしまう…という感じで、結局お金にものを言わす競争になってしまうかもしれません。また、利用者心をくすぐる為に、CMとか広報・宣伝などにも力を入れざるを得なくなります。なんだかややこしくなってきます…

2007年度上半期をにぎわせた、コムスン問題も実に似たような問題を示唆しています(介護保険制度は、一応保険なのでバウチャーではありませんが、これまでの措置から選択に変わったという意味で、似たような側面をもっていますし、実際バウチャー制も議論されているようです)。利用者がコムスンに決めた理由としてCMなどで沢山流れてるから信頼してたという声も少なくなかったですし、なにより業界最大手といえば、頼りたくなるのも自然でしょう。
でも、あんな自体が起こってしまいました。福祉も近年情報公開が義務化され、評価の重要度も高まってきましたが、果たしてちゃんと機能していて、利用者もちゃんとアクセスしているのでしょうか…


そんなこんなで、画期的な制度として注目されているバウチャーですが、本当にどんどん導入して大丈夫なのでしょうか?もちろん競争による相乗効果は否定できないですし、むしろ競い合って相互に質を高めて欲しいものですが、もっと根本的な部分からの改革をしていかなければ、平等といっても結局、弱肉強食の世界になってしまうような気がしてしまいます。介護の問題もコムスンに隠れがちですが、零細企業やNPOによる不正はものすごい量で、後を絶たないと言われています。どんなに小さくても不正は許せませんが、その不正を生み出さざるを得ないような環境についてもしっかり考えていかなければなりません。

1 件のコメント:

匿名 さんのコメント...

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